野球部は熱中症になりやすい?
1. ドーム球場にするべき?
甲子園球場の所在地が西宮であるため、お越しくださるクライアントさん
との会話でも、高校野球が話題になることは珍しくありません。
それで、先日お越しくださったクライアントさん(男性)が仰るに、
「これだけ暑いと、甲子園ではなく京セラドームでやった方がいいよね」とのこと。
伝統や利害関係など一切無視するなら、その通りでしょう。
実際に野球をする選手だけでなく、応援する観客も含めて直射日光を避けること
ができるうえに、ドーム内の温度を任意に設定できます。
つまり、快適に野球をプレー、もしくは観戦できるわけです。
雨での順延がないため、スケジュール通りに試合を消化できる点も見逃せません。
[スポンサーリンク]
2. 野球部は熱中症になりやすい?
そうは言っても、それほど単純な話ではありませんよね。
甲子園の出場が掛かった地方大会は、7月中旬から7月末に開催されますが、
下手をすると夏の甲子園開催時期(8月初旬からお盆過ぎ)よりも暑いです。
甲子園から京セラドームに変更すれば解決する話ではありません。
むしろ、参加する高校が多い分だけ、地方大会のあり方を変更する方が先でしょう。
ところが、上記のクライアントさんから、捨て置けない気になる情報が。
なんでも、「熱中症で死亡するのは、野球部員が圧倒的に多い」とのこと。
スポーツの種類によって、屋外屋内の違いから、練習時に着用する
ユニフォームの違い等、熱中症になる確率に差があることは予想できますが、
そこまで顕著だったとは正直なところ予想外です。
【拙・夏は本当に暑くなっているか?】
3. 熱中症による死亡事故
というわけで、実際のところどうなのか調べてみました。
『日本スポーツ振興センター』の統計情報によりますと、部活別の熱中症死亡事故
件数は以下の通りです。
※ 平成2年から平成24年に発生した件数
※ 発生件数の多い部活(上位6つ)のみ引用
トップは野球部で19名、次いでラグビー部が10名、サッカー部が9名です。
殆ど倍に近いですね。確かに事故件数だけみると圧倒的に多いと言えます。
ちなみに、野球部の事故件数を年代別にみると以下の通りです。
平成2年から平成12年の間に15件、平成13年以降(平成24年迄)は4件と
随分偏っていますので、何らかの対応策がとられたと言う事でしょうか。
【拙・汗をかかない(汗をかけない)原因】
4. 競技人口の差
事故件数では圧倒的ですが、そもそも部活毎の競技人口に違いがあります。
というわけで、次に各スポーツの競技人口を、『公益財団法人
全国高等学校体育連盟』の統計情報から調べてみました。
ところが、「平成15年以前の集計は、当時のデータ検証が不十分で
統計資料として公開できる状態ではありません」とのこと・・・。
従いまして、以下は平成16年から平成24年における競技人口です。
※ 野球部のみ『公益財団法人 日本高等学校野球連盟』より引用
野球、サッカーが多く、ラグビー、柔道の競技人口が少ないことが分かりますね。
【拙・冷房は何度から利用するべきか?】
5. 結論と致しまして
熱中症の死亡事故件数ではなく、競技人口に注目すると発生確率は以下の通りになります。
※ 平成15年から平成24年における競技人口
※ ()内は事故件数
柔道 305603名(4名)
⇒ 0.00001309%
ラグビー 275574名(3名)
⇒ 0.00001089%
剣道 521365名(2名)
⇒ 0.00000384%
野球 1657388名(4名)
⇒ 0.00000241%
陸上 948253名(2名)
⇒ 0.00000211%
サッカー 1522710名(3名)
⇒ 0.00000197%
発生確率を基準にすると、柔道が突出し、次いでラグビーとなっています。
結論としまして、平成15年以降のデータを見る限り、「野球部が
熱中症になりやすい」という事実はありませんでした。
関連記事
【拙・冷房が体に悪いというのは本当か?】
【拙・扇風機の風は本当に体に悪いのか?】
【拙・夏になると足がだるくなるのは何故なのか?】
[スポンサーリンク]
最終更新日 2018年9月1日
2018年9月1日 | カテゴリー:その他
あわせて読みたい記事
お問い合わせ
自律神経失調症・パニック障害・不眠症
西宮・芦屋 ながた整体院
0798-32-0446
営業時間
10:30~13:00
15:00~20:30
※木・土曜日は18:00まで
電話受付
20:00まで
※木・土曜日は18:00まで
休診日
日曜日・祝日