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心因性咳嗽の治し方を考えてみる


 

ストレスが原因で、止まらなくなる咳があることをご存知でしょうか?

正式には、心因性咳嗽(しんいんせいがいそう)と呼ばれています。
ちなみに、咳嗽とは咳の医学用語です。

「ストレスや自律神経なら」という事で、既存のクライアントさんから
紹介されてお越しくださる方がいらっしゃいます。

確かに、ストレスや自律神経に由来する体調不良は、当院の得意分野ではありますが、
心因性咳嗽に限って言えば、残念な事にそれほど成績はよくないです。

と言いますのも、自律神経が安定した後、肝心の咳が治まらないケースが少なくありません。
その辺りも踏まえて、今回はストレスに由来する咳について考えてみます。




1. 急性の咳と慢性の咳


 
咳がでると、「風邪をひいたかな・・・」と疑ってしまうくらい代表的な症状ですが、
実は呼吸器系の病気では、よくみられる現象です。

病気以外にも、煙を吸い込んだりすると、やっぱり咳がでますよね。
咳はよく知られた症状ではあるものの、その原因は多岐に渡ります。

その咳ですが、3週間以内で治まれば、「急性」、8週間以上持続するようなら、
「慢性」と呼ばれます。ちなみに、両者の間(3週間から8週間)は、「遷延性」です。

つまり、風邪の場合は普通なら、3週間以内で治ってしまいますので、
急性の咳ということになります。言い方を変えると、持続時間が長い咳ほど、
感染症以外の病気の可能性が高くなるわけです。

【拙・パニック障害と咳の関係
 

2. 咳の役割


 
そもそも、なぜ咳がでるのかと言えば、気道に入り込んだ異物を強制的に
体外へと吐き出すためです。仮に咳が発生しない場合、異物は体内、
具体的には肺への侵入を許してしまうことになります。

肺の働きと言えば、ご存知の通り、空気から得た酸素と体内に溜まった
二酸化炭素を交換することです。

ヒトは酸素が絶たれると生きていけませんので、肺は重要な臓器と言えます。
それなら、異物が入り込む事態を可能な限り阻止する必要があるわけです。

つまり、咳はヒトに備わっている生理機能のひとつであり、排出するべき
異物があるからこそ生じるものです。原因を取り除くことを後回しにして、
咳を止めてしまうのは、身体にとって有害になることを承知しておきましょう。

【拙・風邪をひいても熱を下げない方が早く治る医学的根拠
 

3. 心因性の咳がでる理由


 
それでは、なぜストレスが咳の原因になるのかと言えば、
「悩みをカラダの外へ吐き出してしまおう!」という事ではないですよね・・・。

100%あり得ないとは言えませんが、論理的な話ではありませんので、
ここでは触れないでおきます。

気道周辺には、異物の存在を把握するためのセンサーが備わっていて、
異変を察知すると、すみやかに脳幹(脳の一部)へと情報を伝達します。

それで、報告を受けた脳幹は、異物を排除するため急激に胸郭を動かし
咳を発生させる仕組みになっていて、この反応が、「咳反射」です。

さて、強いストレスを受けて自律神経のバランスが崩れると、咳反射に限らず、
いろんな刺激に対して過敏に反応するようになります。

パニック障害もそうですね。本来なら、何の問題もない状況にも関らず、
脳が、「緊急事態」と判断し、動悸や過呼吸が起こります。

ストレスによる咳も、これと同類ではないかと考える次第です。

※ 心因性咳嗽のメカニズムは明らかになっていません

【拙・自分でできる自律神経症状チェック
 

4. 心因性咳嗽の特徴

心因性の咳にみられる主な特徴は以下の通りです。

① 喉は痛くない(炎症していない)
② 痰が絡まない
③ 咳止めの薬は効果がない
④ 咳以外は、身体に異常がない
⑤ 乾いた咳がつづく
⑥ 起きている間(日中)に酷くなる
⑦ 眠っている時は、殆ど咳がでない
⑧ 何かに集中すると咳が治まる

【拙・眠い時は寝た方が健康に良い理由
 

5. 咳止めの薬が効かない理由


 
まずは、①~④に関して考察します。

喉に炎症が起こる主な原因は、ウイルスが繁殖することによるものです。
一方、痰の成分の殆どは、免疫細胞に駆逐されたウイルスの残骸だったりします。

従いまして、「喉が痛くない」、「痰が絡まない」という点から、
風邪をはじめとしたウイルス性感染が原因でないことは明らかです。

そうしますと、当たり前ですが、咳止めの薬は効きません。それどころか、
眠気などの副作用だけはしっかり効果を発揮しますので注意が必要です。

喘息をはじめとして咳が出る場合は、基本的に気道が狭くなりますので、
気道を広げるタイプの薬が利用されることがあります。

ストレス性の咳は、気道が拡がっている時に出やすいと予想されます
(理由は後述します)。最悪の場合は、薬を飲むと逆効果になり、
咳が酷くなる可能性がありますので要注意です。

次に④に関してですが、「咳以外に異常がない」という事こそ、
心因性咳嗽の最大の特徴だと言えます。

平たく言えば、咳を誘発する主だった病気の可能性が否定されてはじめて、
「ストレスによる咳」が疑われるという事です。つまり消去法ですね。

【拙・上咽頭炎が治った理由を考えてみる
 

6. 乾いた咳ってなんだろう?

⑤の乾いた咳とは、いわゆる軽い咳のことです。

「ゲホン、ゲホンッ!!」という咳をしている人を見かけると、「しんどそうだな」とか、
「なにかの病気かな」と考えてしまいますよね。

一方で、「コホ、コホッ」という咳なら、あまり気になりません。これが乾いた咳です。

「軽い咳だったら、それほど気にしなければいいんじゃない?」と、
お考えになるかもしれません。確かに、一時的な咳であれば問題にはならないでしょう。
ところが、軽い咳でも1ヶ月を超えて持続するのです。

咳は、上半身を総動員して行われる運動ですので、長期間つづくと、
胸を中心にして、かなりの苦痛を感じてしまいます。

【拙・胸が苦しくなる原因と対処法
 

7. 自律神経との矛盾


 
次は、⑥~⑧に関する考察です。

まず前提条件として、ストレスが加わると自律神経は交感神経が優位になり、
ストレスから解放されると、副交感神経が優位になります。

それで、起きている間(活動時)は交感神経が、眠る(休息時)と副交感神経が、
それぞれ優位になりますので、⑥と⑦は理屈通りです。

さて、最後に⑧ですが、この特徴こそ、ストレス性の咳の本質を
ややこしくしていると言っても過言はありません。

なぜなら、何かに集中するということは、起きて活動している段階から、
さらに交感神経の緊張を高めることを意味するのです。

ヒトが緊張するのは、極端な話をすると、「戦う・逃げる」時なのですが、
どちらも状況にあわせて、すぐに行動できる状態を保つ必要があります。

そのため、エネルギー源となる酸素は最大限に供給されることが望ましく、
空気を取り込みやすいように、気道は拡がるのです。

先に、「気道を拡げるタイプの薬には注意が必要です」と書いた理由が、ここにあります。

喘息などの病気では、気道が狭くなると咳が酷くなることが分かっていますので、
薬によって気道を拡げれば、咳は治まるのです。

ところが、心因性の咳は、気道が拡がっている(交感神経が優位)ときに、
悪化する傾向があり、薬を飲むことで却って咳が酷くなってしまう可能性があります。

【拙・咳が出て眠れない時の対処法
 

8. 心因性の咳はどうやって治すべき?


 
理屈で考えると、集中すればするほど、最も咳が酷くならないとおかしいのですが、
逆に治まってしまうのですから、不可解としか言いようがありません。

自律神経失調症でも、パニック障害でも、緊張度合いの高まりに比例して、
症状は確実に悪化しますが、心因性咳嗽は当てはまらないことになります。

まとめると、以下の通りです。

◇ 副交感神経が優位なときは咳がでない
◇ 交感神経が優位なときは咳がでる
◇ 交感神経が極度に緊張すると咳はでない

咳を止めるには、副交感神経を優位にする、もしくは、交感神経を緊張させる
ことが必要になります。とはいえ、ストレス性の咳を改善することを目的にした場合、
後者は現実的な選択肢ではありませんよね。

そうしますと、基本的には、副交感神経が優位になるように
過ごしつつ、ストレスの根源を解消するのが理想です。

【拙・労力をかけずに自律神経のバランスを保つ方法
 

9. ストレスの根源を探ろう

「そう言われても、ストレスなんてありませんけど?」と、
お考えになる方もいらっしゃると思います。

ですが、ストレスの対象がはっきりしていれば、避けることが出来ますし、
趣味や遊びで、ストレスを解消することも可能です。

ところが、「ストレスであること」を自覚できていない場合は、
対応できないため、心と身体は疲弊する一方になってしまいます。

自律神経失調症やパニック障害に悩まされて、お越しくださるクライアントさんも、
「ストレスはありません」と仰る方が多いのも事実なのです。

従いまして、何がストレスになっているのか、改めて私生活を見つめ
直してみることをお奨めします。遠回りするようですが、ストレス性の咳を
治すためには、どうしても必要な過程だと考える次第です。

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最終更新日 2017年9月24日


2017年9月24日 | カテゴリー:自律神経の乱れ

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