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ハッカ油に危険性はあるか?

暑さに悩む女性
 
ハッカ油を肌につけると、たちまち清涼感につつまれ、爽快な気分になります。

ミント風味のアメを食べると口の中がスースーして、すっきりしますので、
焼き肉なんかを食べた後のお口直しに最適ですよね。

ハッカ油やミントは、暑い時期には頼りになる爽やかアイテムですが、
使い方を間違えると、健康を損ねてしまう可能性があります。

今回はハッカ油の優れた点と、利用する際の注意点を書いていきます。




1. 冷たさを感じるセンサー

日常生活において、暑い、あるいは寒いと温度を感じ取るためのセンサーは、
私たちの皮膚にまんべんなく分布しています。

それで、温かさを感じるセンサーが約3万個であることに対して、
冷たさを感じるセンサーは約25万個もあるんです。

冷たさを感じとるセンサーの方が圧倒的に多いのですが、これは気温の低下を
速やかに探知できないと、生命が危険に晒されることが主な理由です。

暑さで死んでしまうケースより、寒さで死んでしまう場合の方が圧倒的に多いことからも、
頷けるお話しですよね。恐竜時代から寒さは生命を脅かす存在だと言えます。

なお、痛み刺激をキャッチするセンサーは約200万個存在しており、
寒さを感知するセンサーよりも、さらに多くなっています。

身体への刺激を感知するセンサーは、痛み>冷点>温点、ということになります。
つまり、生命を維持する上で、重要な刺激を優先的にモニターしているわけですね。

【拙・扇風機は本当に体に悪いのか?
 

2. ハッカ油で涼しくなる理由

§ 北見ハッカ通商 ハッカ油ビン 20ml

§ 北見ハッカ通商 ハッカ油ビン 20ml
 
ハッカ油やミントを利用すると、清涼感を得ることができるのは周知の事実ですが、
その鍵となっているのが成分に含まれるメントールです。

メントールは、肌や舌に分布している、「TRPM8」というたんぱく質を活性化します。

このTRPM8は、通常25~28度以下の低温刺激が加わった際に反応するのですが、
メントールの働きによって、28度以上であっても反応するようになります。

実際に肌や舌に触れる空気の温度が30度であろうが、35度であろうが、
TRPM8が活性化していれば、脳は、「冷たい」と認識するわけです。

つまり、ハッカ油やミントは、脳を勘違いさせることによって清涼感や爽快感を演出しています。

ハッカ油を首筋に適量を塗り、下記の方法と併用すれば、
エアコンがなくとも快適に眠れるのでおススメです。

【拙・暑い夏でも快適に寝る方法
 

3. ハッカ油に危険性はない?

脳に誤った情報を伝えることによって、「健康を損ねる可能性はないのか?」
という疑問が生じます。

間違った情報に基づいて、身体へと指令をだすわけですから、
普通に考えれば、なんらかの不具合が起こりそうなものですよね。

通常、涼しさ(寒さ)を感じると、体外に熱を逃がさないよう肌の血管は収縮します。
怖い話を聞いて肌寒くなり、鳥肌がたつのも同様の現象です。

実際には、周囲の気温が高く、熱を解放するべきときに、
身体は逆の反応を示すのですから、まずい状況になってしまいます。

【拙・怖い話を聞くと寒くなるのは何故なのか?
 

4. 産業医科大学の研究結果


 
ところが、ハッカ油(メントール)は、「寒冷刺激に対して血管は収縮する」
という生理学的な常識があてはまりません。

◇産業医科大学 山崎准教授 
寒冷刺激時の皮膚血管収縮反応における皮膚冷受容体機能の解析

健康な成人10名を対象として、下腿部の皮膚表面に冷受容体TRPM8チャネル活性刺激剤であるメントール(0.2、0.5、および1.0%)を塗布した。コントロール部にはメントールを塗布しなかった。

被験者は中性温度環境下(29℃)で仰臥位安静を保ち、メントール塗布部および非塗布部の局所皮膚温を、温度コントロール用プローブを用いて35℃から25℃まで5分毎に2.5℃ずつ低下させた。局所温度コントロール用プローブの中心部での皮膚血流量をレーザードップラー法によって測定した。

いずれの冷却部位においても、皮膚温の低下に伴って冷感覚は増大した。同一皮膚温で比較するとメントール塗布部の方がコントロール部よりも冷感覚が強かった。

冷却前のベースライン血流量は、いずれの濃度のメントール塗布によっても変化しなかった。いずれの濃度のメントール塗布部においても、皮膚温の低下に伴って皮膚血流量は有意に減少し、メントール塗布部の血流減少反応はコントロール部のそれと異ならなかった。

 

5. ハッカ油は凄かった

「読むのが面倒だな・・・」 という方のために要約しますと、以下の通りです。

① メントールを塗った部分は、塗っていないところよりも冷たく感じた
② メントールを塗った部分と、塗っていない部分では血流量に差はなかった

つまり、「涼しく感じるけど、普段どおり汗はかくので体内に熱はこもらない」ということです。
個人的には、衝撃的な研究報告だったのですが、いかがでしょうか?

ハッカ油(メントール)は、「何の冗談ですか?」と失笑したくなるくらい、
涼を得るために都合の良い条件を持っていることになります。

【拙・暑くなるとしんどく感じる理由
 

6. 水分補給に注意


 
ハッカ油を使用すると、一時的なものとはいえ、清涼感や爽快感に包まれ、
日本の夏特有の蒸し暑さを忘れることができます。

非常にありがたいアイテムですが、その一方で心配になるのは水分補給です。

暑ければ暑い時ほど、ハッカ油を使いたくなります。それこそ、
成分の効果が薄まってきたら、暑くなる前に再度利用を試みたくなるレベルです。

つまり、実際にはもの凄く暑くて、こまめな水分補給が欠かせない時に、
「水を飲みたい」という欲求が起こりにくい状況になります。

実際に試して見ましたが、ハッカ油特有の清涼感に包まれるため、
「喉が渇いた」という感覚は遠のきました。

従いまして、水分補給に気を遣わないと、熱中症になる危険性は高いです。
ご利用の際には、くれぐれもご留意ください。

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最終更新日 2017年7月15日


2015年8月4日 | カテゴリー:脳のおはなし

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