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運動神経が良い人とは、どんな人なのか考えてみた

ダッシュする男性
 

1. 走り方は改善できず

数日前に書いた、「女の子っぽい走り方は直せるか?」を読んでくださった、
ご本人様(旦那さんではないですよ)よりメールを戴きました。

肘ではなく肩を支点に走ったり、投げたりする動作の改善に、
ご夫婦と幼稚園に通うお嬢さんの三人で挑戦してみた模様です。
何事もやってみないことには、どうにもなりませんので、早々に試してみたのは良いことです。

それで結果ですが、30分ほど頑張ったものの、「運動神経がないんだからしょうがないだろ?!」
とのことで、旦那さんが断念してしまい、せっかくの日曜日だというのに、
家庭内は険悪に雰囲気になってしまったのだとか・・・。

良い歳をした男性が、日曜日に走る練習をさせられるとか、ちょっとした罰ゲームです。
しかもお嬢さんまでご一緒なら、旦那さんは尚更イヤになってしまうでしょう。

幼稚園児である娘を一人で留守番させるわけにはいかない、
という事情もあるのでしょうけれども、少し難易度が高すぎましたね。





 

2. 運動神経とは何だろう?

走ったり、投げるフォームを改善することは本当に可能なのか?という話ですが、
結論から申し上げますと可能です。ただし、前回記事でも記載しました通り、
決して簡単なことではなく、根気を必要とする地味な作業だということを改めて申し添えておきます。

メールでの文面から判断する限り、旦那様は理論派っぽい印象を受けました。
従いまして、まずは理屈を把握したうえで、再挑戦するかどうか判断するのが宜しいかと。

さて、世間一般では、「あの人は運動神経が良いよね」という表現が良く使われますが、
そもそも運動神経とは、いったい何のことでしょうか?

医学用語としての運動神経とは、投げたり走ったり以外にも、右を向いたり左を向いたり等、
筋肉を動かすために必要な神経のことを指します。

運動神経と対になっているのが知覚神経で、こちらは、痛いだの暑い冷たい、
はたまた、硬い柔らかいなどの情報を得るための神経です。

両者の性質上、運動神経は遠心性(脳からの命令を実行する)神経、
知覚神経は求心性(脳が情報を得る)神経とも呼ばれます。

余談になりますが、顔面神経は、ほとんど運動神経であるため、痛みを感じる役割を担っていません。
顔の痛みを感知するのは三叉神経です。つまり、顔面神経痛という言葉も誤解を招く呼称ですね。

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3. 運動神経が良い人の定義

ボールを蹴る男性
 
いかがでしょう。運動神経に対する印象が随分と違っていたのではないでしょうか?

それでは、一般的に運動神経が良いと言われるのは、どんな人かと言いますと、
運動が得意な人のこと、子供であれば、体育の授業や運動会で活躍する児童のことですよね。
ところが、その運動が得意な人も、よく観察すると、大きく2種類に分けることができます。

① 走るのが速かったり、ボールを遠くまで投げる事ができる、あるいは、高く跳ぶ事ができる。
② 足が遅く、ボールも遠くまで投げることはできないし、高く跳ぶこともできないのに、
   球技やダンスなどをすると、驚くほど滑らかな動きを見せる。

①②共に間違いなく、運動神経が良い人、と称される機会があるでしょう。
ですが、実際のところ両者はまったく違う性質を持ちます。

まず、①は備わっている筋力に影響を受けます。直線を走るのが速くても、
それだけでは名サッカー選手にはなれません。ボールを遠くまで投げることが
できるからといって、必ずしもプロ野球選手になれるわけでもありません。

それに対して、②は脳でイメージした通りに、身体を動かせないと出来ません。
頭で考えたことが無駄なく効率的に筋肉へと伝達され身体を動かしているわけです。

つまり、①は筋力を主体にした運動能力のことで、②は神経の伝達が鍵となる運動センスです。
従いまして、俗に言う「運動神経が良い人」というのは、②のことなんですね。

なお、神経の伝達がスムーズで自在に身体を動かせるうえに、
筋力に裏づけされたパワーまで兼ね備えていると、あらゆる競技において、
異次元のパフォーマンスを発揮する可能性が高いです。

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4. 運動神経を良くするために何が必要か?

それでは、頭でイメージした通りに身体を動かすためには何が必要かと言いますと、
いろんな身体の動かし方を経験していることが重要になります。

脳(大脳)から、運動に関する命令がでると、その情報は小脳に送られます。
また、動いている、あるいは静止しているなど現在の身体の状態も、
末梢の感覚受容器から小脳へと送られてきます。

脳や身体からの情報に基づき、身体の平衡や姿勢の保持を含めて運動の計画を微調整し、
使用するべき筋肉、力の入れ具合など、最適とされる情報を大脳や運動神経に出力します。

この手の運動に必要な神経回路は、幼少期の5歳から12歳くらいに発達します。
つまり、幼少期にいろんな身体の使い方をしていれば、運動に必要な神経伝達回路が
形成され、大人になってからも身体を動かす際には、しっかりと機能してくれます。

この頃に運動をまったくせずに過ごすと、効率的な身体の使い方を学習していないため、
大人になってからも、運動は苦手なままです。

ひとつの競技(運動)をひたすら続けるよりも、身近にあるブランコや鉄棒、
あるいは、すべり台で遊ぶことにはじまり、木に登ってみたり、海や川で泳いでみたりと、
様々な身体の使い方を経験しておくことが大切です。

幼稚園や小学校での、身体を動かす授業や屋外での活動はとても重要なんですね。

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5. 実際にやってみよう

ランニングをする男性
 
冒頭に話を戻します。「結局、大人になってから運動神経が良くなることはないの?」
と問われると、その通りです。小学校を卒業するころには、運動センスはほぼ確定します。

だからと言って、子供の運動会に参加する際の走り方を矯正することは出来ないのか?
と言えばそんなことはありません。根気良く、しつこくやれば可能です。

①自分の現在のフォームを認識する。そのうえで、お手本となるフォームをイメージし、
改善するべきポイントを明確にする。

②脳内で改善すべき箇所を中心に目指すフォームを何度も反芻する。
③イメージできたら、実際にゆっくりとイメージした通りに身体を動かしてみる(走らなくて良い)。

ここで、どれくらい改善できたか、イメージ通りに動かせているかを確認する。
できていなければ、①に戻って出来るまで何度も繰り返す。

イメージ通りに動かせるようになれば、実際に軽く走ってみる。この際、全力疾走すると、
頭で考えたことは無視され、どうしても身体が覚えている走り方になってしまいます。
従いまして、全力ではなく、あくまでも動作を確認するため、という目的で走ることが大切です。

それから、普段の歩行時の腕の振り方にも注目してみましょう。
歩行時は、肘ではなく肩を支点にしているならしめたものです。必ず改善できます。

歩行時にも肘を支点にしているのであれば、理想の走り方でイメージしたのと
同じように肩を振りながら歩くとトレーニングの一環になりますよ。

※なお、当記事はクライアントさんに返信したメールに修正、加筆したものです。ご了承ください。

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最終更新日 2016年9月13日

2015年9月29日 | カテゴリー:身体のおはなし

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