いろんな症状を考えてみる|整体のブログ

風邪をひいても薬で熱を下げない方が良い理由

ポーズを決める女性
 
風邪をひいて熱がでると、殆どの人が当たり前のように熱を下げようとします。
ところが、実際には熱を下げてしまうと、風邪の治りは確実に遅くなります。

ウイルスに感染することによって、発熱するメカニズムを把握したうえで、
熱を下げるべきか否か、的確に判断することが大切だと考える次第です。

1.低体温だとウイルスが繁殖しやすい

《WIRED》  2015年1月17日  『体を冷やすと風邪を引く、科学的根拠』

(前略) 「厚着しなさい。でないと風邪を引くよ」──。小さいころから何度となく繰り返し聞かされてきたこの知恵は、しかし今日まで、迷信じみたものとして解釈されていた。なぜなら温度が低いことと、一般的な風邪の原因とされるライノウイルスの感染リスクとの間に、相関があるという証拠は存在していなかったからだ。

しかし、イェール大学の新しい研究は、ついにこの「おばあちゃんの知恵」を復権させる。『Proceedings of the National Academy of Sciences』において、寒さがライノウイルスに抵抗する私たちの免疫系の能力に影響を与えて、実際に風邪を引くリスクを増大させるであろうことを証明しているのだ。 (以下省略)

引用記事を読む限り、「体温が低いと風邪に感染しやすく、風邪を拗らせやすい」
という逸話には、今まで医学的根拠がなかったということでしょうか?少し意外です。

大半の風邪ウイルスは、体温よりやや低め(33度前後)でもっとも繁殖しやすく、
体温が上昇するにつれて、繁殖活動が低下することが知られています。

さらには、体温が低いとウイルスから身体を守る免疫細胞は活性化しにくく、
体温が上昇するにつれて、体内に入りこんだ異物を除去すべく、
より活発に活動することが知られています。

つまり、体温が低い場合は、ウイルスは活動しやすく、免疫細胞は働きが低下し、
逆に体温が高い場合、ウイルスは活動を低下させ、免疫細胞は活性化します。

【拙・風邪をひいたらお風呂に入らない方が良い?





 

2.冬に風邪が流行する理由

この事実だけでも、身体を冷やすと風邪をひきやすくなるのは明らかだと思うのですが、
これまでは理論データのみで実際の臨床データは、存在しなかったと言う事でしょうか。

例えば、夏風邪が大流行した年があったとしても、冬の風邪ウイルスに
感染する人の数と比較すれば、たかがしれています。

冬の寒い時期に、風邪ウイルスが蔓延しやすい理由として、空気が乾燥するため、
ウイルスが飛散しやすい事と、身体が冷えやすい事が挙げられます。

その一方で、夏は湿度が高くウイルスが飛散しにくい事と、気温が高くなるため、
身体が冷やされて、体温が低下する機会が少なくなります。条件を比較すると、
夏より冬の方が圧倒的に風邪をひきやすい環境である事がわかります。

【拙・そんなに冷房は体に悪いのか?
 

3.熱を下げない方が良い理由

そもそも、誤解している方も多いのですが、風邪をひいた際に発熱するのは、
風邪ウイルスの仕業ではありません。

風邪ウイルスの活動を抑制しつつ、免疫細胞の働きを向上させるために、
免疫細胞自らが、発熱を促す物質を放出している事が原因です。

これはつまり、ウイルスを少しでも早く体内から駆除するために、
免疫細胞がわざわざ体温を上昇させている、という考え方ができます。

それを風邪薬等で熱を下げてしまえば、結果的に風邪ウイルスが有利な環境、
免疫細胞にとっては不利な環境を招いてしまいます。

そうしますと、どうしても風邪は治りにくくなってしまいますので、
いつまでもすっきりしない状態がつづくのは当然と言えるでしょう。

【拙・なんとなくしんどいのは何故なのか?
 

4.熱が下がる≠風邪が治る

薬の画像
 
体温が、37度、38度と上昇し、免疫細胞が活性化することによって、
風邪ウイルスがすっかり殲滅されると、攻撃対象を失った免疫細胞は、
やがて発熱物質の放出を停止させます。それを受けて体温も下がっていく、
というのが、身体に備わった本来あるべき生理現象です。

ところが、どういうわけだか世間一般では、風邪をひいて発熱すると、
とりあえず熱を下げることが、風邪をひいた際の正しい対処方法になってしまっています。

つまり、「熱が下がる」=「風邪が治る」という誤った認識が定着しているのですが、
風邪を早く治したいのであれば、薬によって熱を下げるのは間違いです。

【拙・医者が薬を飲まないというのは本当か?
 

5.風邪を治す薬は存在しない

「熱だけでなく、咳やくしゃみは体力を消耗させてしまうため、
薬を服用してしっかり眠って体力を回復させた方が早く治る」という説があります。

もっともらしい理屈に聞こえなくもありませんが、そもそもなんのために
体力を回復させるのか?これは言うまでもなく風邪を治すためですよね。

風邪を治すためには、該当する風邪ウイルスを死滅させる必要があるのですが、
体内で繁殖してしまった風邪ウイルスを除去するためには、
免疫細胞に働いてもらう以外に方法はありません。

免疫細胞の活躍が期待される場面であるにも関らず、体温を下げて免疫活動を
低下させてしまっては本末転倒です。熱を下げて体力を回復させても意味はないでしょう。

実際問題として、風邪のウイルスを撃退してくれる薬は存在しません。
病院が処方してくれる薬は、せき止め、あるいは、解熱剤といった、
あくまでも症状を抑えるための薬剤だという事です。

【拙・眠る直前に咳がでる理由
 

6.病院に行く意味を考える

病院のイラスト
 
それなら、風邪をひいても薬は飲んではいけないのかと言えば、そういう事でもありません。

実際に、体温が40.5度を越えると、体温を調節する機能が上手く働きません。
さらに、41.5度から42度に達すると発汗しなくなり、身体を構成するタンパクが崩壊し始めます。

生命の危機に晒されるわけですから、そういう時は速やかに熱を下げる必要があります。
決して、「熱が高くなれば高くなるほど良い」という事ではないのです。

もっとも、風邪で40度に達することは稀なケースですから、その場合は、
発熱している本当の原因を突き止める事が大切になります。

そういう意味で、発熱した際に病院へ行く目的は、風邪を治すためではなく、
発熱している原因をはっきりさせるため、というのが正しい認識でしょう。

【拙・インフルエンザの予防接種は効果があるか?
 

7.風邪薬は免疫の活動を妨げる

咳やくしゃみも体内のウイルスや異物の侵入を防ぐ、あるいは体外に放出するための
免疫反応ですから、咳やくしゃみを止めて早く風邪が治るわけがありません。

ここでも免疫の活動を妨げているわけですから、風邪が早く治るどころか、
むしろ風邪を長期化させる要因になりかねません。

風邪薬を服用することにより、熱を下げ、咳やくしゃみを止めても、
繁殖したウイルスが減るわけではありませんので、薬の効果が切れると、
再び同様の症状が生じます。そしてまた薬を服用する、という悪循環に陥りるわけですね。

【拙・眠い時は寝た方が健康に良い理由
 

8.風邪で発熱した場合の対処法

それでは、風邪を引いてしまったらどうすれば良いのかといえば、栄養をしっかり補給して
暖かくしたら、ひたすら寝ましょう。疲労の回復には、睡眠が1番なのです。

発熱のために、「しんどすぎて、ご飯を食べたくない・・・」という方は、
ポカリスエットを購入して飲みましょう。

なにせ、ポカリスエットは、大塚製薬が「飲む点滴」をコンセプトに
開発した飲料水ですから、身体が回復するために必要な栄養を確保できます。
食欲がなければ、無理に食事をしなくても大丈夫ですよ。

僕は4~5年に1度くらい風邪で発熱することがあるのですが、
その時は、ポカリスエットを大量に購入し、ガブガブ飲んだら、
体温がこもるように、少し暑さを感じるくらいの布団を被って寝ます。

そうしますと、夜中に大量に汗をかいて目が覚めるのですが、
その現象が起こった後は、高確率で風邪は治ってます。

【拙・カレーを食べたくなるのは風邪の前兆なのか?
 

9.風邪薬を飲んだほうが良い場面

OKサインを出す女性
 
そうはいっても、やらなくてはいけない大切な仕事や用事があって、
どうしても寝ているわけにはいかない、そういう日もあります。

その時こそ、咳止めや解熱剤を服用し、一時的に症状を抑えてその場を凌ぐ、
これこそが、薬の正しい利用方法でしょうから、迷わずせき止めや、解熱剤に頼りましょう。

ただし、薬の効用で身体が楽になりますが、決して治ったわけではありませんので、
必要最低限の行動にとどめて、エネルギーの消費を抑え、やるべきことを終えたら、
速やかに帰宅して、しっかり休みましょう。

痛み止めを服用したり、湿布などを張ることによって痛みから解放される代わりに、
身体が治る機会を先送りにしているのと話が似ていますね。

【拙・痛み止めの副作用を考えてみる
 

10.安静にしているのが一番

ただ、風邪ウイルスに感染している時は、自宅で安静にすることが、
自分のためだけでなく、職場や学校など、周囲の人に対するマナーでもあります。

小学校の頃に、風邪をひくクラスメイトが続出し、学級閉鎖で1~2日程度、
臨時の休みになった経験をしていると思います。

なぜ学級を閉鎖するのかと言えば、それ以上の感染拡大を阻止するためです。
既に風邪ウイルスに感染し、発熱している児童はもちろん、まだ発熱していない児童であっても、
潜伏期間の可能性があるため自宅で様子をみてください、そういう意味なんですね。

話が逸れましたが、風邪を治すためではなく、一時的に症状をなくすためである事を
しっかりと認識したうえで、状況に応じて薬を服用するべきか否かを判断したいものです。
結局のところ、風邪を早く治したいなら、「暖かくしてひたすら寝る」これが一番です。

今回イェール大学の研究によって、「身体を冷やすと風邪をひく(ひきやすい)」
という医学的な裏づけも得られたことですので、これを機に、「風邪をひいたら、
とりあえず熱は下げるべき」という風潮が改められると良いのですが、
常識として根付いてしまった習慣を覆すのは、なかなか難しそうです。

関連記事
【拙・休みになると体調不良で熱がでるのは何故なのか?
【拙・コタツで寝ると風邪をひく理由
【拙・涼しくなるとくしゃみが止まらなくなるのは何故?
【拙・目覚ましが鳴る前に目が覚めるのは病気の前兆?
【拙・タイツを履くと寒くてスースーする理由




最終更新日 2016年11月2日

2015年4月29日 | カテゴリー:免疫 & 微生物

あわせて読みたい記事

お問い合わせ

自律神経失調症・パニック障害・不眠症

西宮・芦屋 ながた整体院

0798-32-0446

営業時間

10:30~13:00
15:00~21:00

※木・土曜日は19:00まで

電話受付

20:00まで
※木・土曜日は18:00まで

休診日

日曜日・祝日

»当院へのアクセス

»メールでのお問い合わせ

PAGE TOP

お問い合わせ